お陰様で詐欺被害者からコンスタントに情報を頂けるようになった。被害に遭った時に参考にして欲しいことは別記事で報告した通りだ。
【詐欺返金】3つ証拠が必要 少しでも「怪しい」、「詐欺ではないか?」と感じたら、できる限り証拠を残しておくことをお勧めする。 初めてのことで混乱も多いと思うが、これができるかどうかで詐欺の返金交渉の結果が大幅に変わってくる。 大概の人[…]
そこで気付いたのが被害回復の捉え方の違いだ。返金される事だけが被害回復だと思っている方が多いのだ。詐欺業者に逃げられてしまったなどで返金が叶わない場合もある。そうなったらもうお手上げなのか?いや違う、被害者にとって本当の意味での詐欺被害を解決する術を伝えたい。
詐欺業者との交渉による回復
まずは何と言っても支払った金額が返金されるのが一番の被害回復だが、これも被害回復と言えるケースをお伝えする。知っているのといないのでは大違いだ。
現金返金
銀行振込やコンビニプリペイド等の支払いを、弁護士や司法書士(以下、専門家)に詐欺業者と交渉してもらい、返金を受けるケースだ。
専門家と詐欺業者の直接交渉が必要になるため、時間を要するケースもあるが、内容の悪質さ(刑法詐欺に該当する等)によっては返金の可能性に影響を及ぼす事が多い。
例えば、FXの証拠金等であればそれなりに実績がある業者が収納代行を行っているならば良いが、最近のスマホ副業詐欺等に至っては、そのためだけに設立された業者も多く、逃げられたり連絡がつかなくなるケースも多い。やはり詐欺業者からお金を取り返す事は容易ではない。「詐欺被害」と気がついたら、すぐに専門家へ相談する事をお勧めする。
クレジットカード決済の取り消し
専門家と詐欺業者との間で交渉を行い、クレジットカード決済を取り消すケースだ。
例えば、5月に40万円の決済を行い、支払いが6月だとする。決済後すぐ専門家に依頼する事により、6月の支払い分が取り消し出来るケースもある。先の支払いが無くなるという事で現金返金とは異なりお得感は少ないが、クレジットカード決済の取り消しも同様に被害回復であると言える。カード決済をすでに支払っている場合、取り消しになることで、被害者のカード未払い残高との相殺やカード会社経由での返金もあり得る。
その他、クレジット決済を行った被害日から実際の支払い日まで期間がある場合、請求留保等を行う事も出来るが、割賦販売法の支払停止の抗弁とは異なり、カード会社の任意運用(詳細はカード利用約款等に記載がある)になるため、カード会社によっては対応してくれない場合もある。被害に遭ってからなるべく早めに専門家へ相談した方が良いだろう。
専門家と詐欺業者の交渉がとん挫した場合、強制返金(チャージバック)を駆使し、返金に至る場合もあるが、カード国際ブランド及びイシュア―によって対応が異なるのと、法的な契約の解除とは異なるため(チャージバックはカード国際ブランドのルールであり法律ではない)仮にチャージバックで被害回復を得られたとしても、法的に契約が解除されていなければ、詐欺業者が被害者に対して訴訟を起こすケースもある。
未払い分の請求放棄
専門家と詐欺業者との間で交渉を行い、詐欺業者に未払い分の請求を放棄してもらうケースだ。
スマホ副業や情報商材の場合、高額な契約代金を一括で支払えない方も多い。クレジットカードの上限いっぱいで払わされたり、上述したチャージバックを防ぐ目的で遠隔操作(エニーデスク等が多く用いられている)により借り入れの申し込みをさせられ、借金を負わされるケースも多い。また、この手のスマホ副業、情報商材を取り扱いする詐欺業者の中には「代金の不足分は自分が立て替えておく」と言い、より高値の商品を契約させる手口を使う者もいる。
本日は、いまだに被害者が後を絶たないバイナリーオプション美女を個別に紹介していこうと思う。 結論 高額かつ悪質なコース販売の可能性大 [afTag id=770] 実際に大石絵里奈(オオイシエリナ)からバイナリーオプションのレクチ[…]
例えば、100万円の契約をして、まずはクレジットカード上限いっぱいの30万円を支払い、残りの70万円は翌月以降支払う約束をしたとする。よく勘違いされる点だが、決済した30万円の返金請求をしたら、勝手に未払い分の70万円も払わなくて良いと思っている人が多い。交渉時に詐欺業者が未払い金の請求を主張するケースは多々ある。この場合、契約代金の未払い分についても請求を放棄させたのなら被害回復として考えるのが打倒であろう。
解約合意書の取り消し
被害者から詐欺業者へのクレーム等をきっかけに、「契約残金の免除をするため」「キャッシュバックを行うため」等の理由で「解約合意書」を締結させるケースも多い。詐欺業者は被害者に対して嘘をつき締結させているケースがほとんどであるが、書面による契約は証拠として堅く、背景事情を鑑みず合意書だけを切り取りして判断する詐欺案件の経験が少ない専門家に依頼していたら「返金請求は難しい」等と言われ泣き寝入りになる事も多い。
この手の合意書は、返金請求が得意な専門家ならば錯誤(民法95条)詐欺(民法96条)等による取り消しを主張し、返金請求を行う事もある為、相談する専門家選びを間違わないように注意してほしい。
債務整理
被害者の多くが「簡単に高額を稼ぎたい」とスマホ副業、情報商材に手を出す。もともと借金があり返済に追われ自転車操業から抜け出そうと収入を増やすべく副業や投資を始めたのだが、詐欺被害に遭ってしまうケースもある。
ここ1-2年、契約代金を支払いするため、詐欺業者に遠隔操作で消費者金融に対する借り入れの申し込みをされてしまう事例が増えている。特に20代前半の被害者はスーパーホワイト(今まで借り入れ等も無い)なので、同日申し込みだと総量規制以上の借り入れができるケースも多い。
返金がされなかったらそれで終わりなのか?本来の目的は自転車操業から抜け出す事だろう?そこで債務整理を考えてみて欲しい。
債務整理は過払い金請求・任意整理・個人再生・自己破産といった借金を整理する手段だ。利息込みの返済から利息を減額してもらったり、借金の総額を減額してもらったり、借金そのものを無しにしてもらうのだ。
一定期間新たな借り入れができなくなる等のデメリットはあるが、返済がきつい現状を考えれば、ゆくゆくは滞納して借り入れしにくくなるのは容易に想像できる。先々の借り入れを考えて債務整理をしないのはナンセンスだ。それに、消費者(借り入れ主)を守るため、貸金業者は年収などを基準にその3分の1を超える貸付けが原則禁止されている。(総量規制)債務整理しようがしまいが、いずれ借り入れできなくなるなら、借金を整理した方が断然いいだろう。
借り入れ期間が短いと手続きできなかったりするが、消費者金融や銀行ローン、クレジットカードの支払いも債務整理できるのでやってみる価値はある。詐欺被害を専門に扱っている事務所なら一緒に債務整理の相談もできるところもある。自身が債務整理のどの手続きが取れるのか確認して欲しい。
事務所選びのコツ
弁護士事務所や司法書士事務所はどんな種類の法的トラブルも扱えるが、先生によって得意分野があるのは医者と同じだ。心臓の手術を耳鼻科の先生に依頼する人はいないだろう。それと同様、詐欺被害に強く、かつ借金を追っているケースであれば債務整理も得意な事務所を選ぶのは鉄則だ。稀に依頼費用に難色を示す人もいるが、そんな事で依頼を躊躇するのは馬鹿らしい。どの世界にも相場はあり、とっぴょうしもない金額ならまだしも、多少の違いならその事務所の自信の表れだ。
例えば、成功報酬30%と35%の事務所があったとする。
10万円の返金に対し成功報酬30%引かれ、自身に戻るのは70,000円だ。
一方、15万円の返金に対し成功報酬35%引かれ、自身に戻るのは97,500円だ。
交渉が上手い事務所の方が返金額が多いのは容易に想像できる。
また、実績がある事務所は、成功報酬型であるケースがほとんどであるため、被害回復されない事件の依頼でも受けるような安請け合いはしない。交渉の余地もない場合は、厳しいが正直に詐欺業者に対し何もできることは無いと伝えてくれるのだ。以前、専門家に返金請求の依頼をしたがうまくいかなかった人は、その事務所は詐欺被害に強い事務所だったか思い返してみて欲しい。
私もたびたびX(旧Twitter)にて投稿を行っているが、ロマンス詐欺等被害回復が難しいケースであっても着手金目当てで依頼を受ける法律事務所の存在があることを忘れてはならない。もともとの被害額が多いことも去る事ながら、被害者心理としては、着手金はかかるが成功報酬が安い場合、満額返ってくれば手残りのお金が多いとの計算を行う。しかし、私が知っている限りその手のケースで被害回復された事例を聞いた事はない。本当の意味での総合解決が出来る事務所選びを行ってほしい。
被害者の禁じ手
自己交渉これは一番最悪なケースだ。
長期に渡り出会い系サイトに課金していた人など、自身の被害総額を把握している人は少ないだろう。うろ覚えの金額で返金交渉するのは実にもったいない。専門家に依頼したなら被害総額の調査も含め、交渉できる目一杯の金額を割り出し交渉に当たってくれるだろう。
詐欺業者は専門家に依頼されたくないので、専門家に相談していると伝えると、相談をやめることを条件に返金に応じる姿勢をみせる。そこで自己交渉を選んでしまうと、いたずらに時間を延ばされ連絡が付かなくなってしまったり、わずかな返金で済まされてしまったり、不利な条件で和解締結してしまうケースがほとんどである。一度和解締結した後に金額に納得いかないからと専門家に相談しても、具体理解をした上で締結している和解契約を覆すのは至難の業だ。
早めの依頼が成功の鍵
「返金請求の相談をしたら、すぐに依頼するよう急かされて不安になった」という声もある。たとえ相手が専門家であっても、騙されたばかりで別の契約書を交わすことに抵抗があるのはわかる。この事務所もインチキ事務所だったらどうしようと不安になってしまうのもわかる。しかし彼らは法律家だ。ごくごく一部の悪質事務所を除き、わざわざ取得した弁護士・司法書士資格を放りだす奴はいないだろう。それに弁護士法や司法書士法で厳しく取り締まられている。
ではなぜ依頼を急かされるのか?それは詐欺業者に逃げられたり、いつ逮捕されるかわからないからだ。専門家は依頼人の委任を受けなければ動けない。勝手にしゃしゃり出る訳にはいかない。そのため早く委任契約書を交わし代理人になって対処したいのだ。
詐欺集団の逮捕は被害に遭っていない人からすれば喜ばしいことだが、返金請求の観点から見ると絶望的だ。騙し盗ったお金はどこかに隠してあるだろうし、警察が取り押さえた僅かなお金を被害者全員で分配しても焼け石に水だ。
もしかして自分も詐欺被害に遭ってる?
詐欺暴露チャンネルがお勧めする専門家へ早急に返金請求の相談をしてほしい。
被害者の多くが複数の詐欺サイトを利用したり、複数の情報商材を購入している。もしかしてこれも詐欺?と疑心暗鬼ながらでも全てを専門家に話して欲しい。
また、詐欺業者に住所・名前・年齢・電話番号・仕事・家族構成・借金の有無など、個人情報を伝えてしまった方もいるだろう。専門家を介することで、今後それらの情報が悪用されるのを防ぐことも重要だ。
自分の得意分野のみだけではなく、本当の総合解決してくれる専門家への相談が必須だ。
今この瞬間にも動き出すんだ。1人でも多くの人が本当の意味での被害回復できるよう切に願う。
合掌 “B”李 拝